コウノトリからの届け物

ありがたく受け取ります

日時指定で出来ますか

受け取り延期は可能ですか

あのまだ届かないんですけど

受け取り拒否はできますか

ささやかなプレゼントをあなたにあげよう

これをどう利用するかはあなた次第

私はささやかなプレゼントとして優しさをもらった

不意なことでびっくりしたけど

心の違和感に気づいていた私は救われたんだと思う

何も小さなことにこだわらなくてもいいって

自分の中では大きな問題だと思っていたことが

シトシト

ズッピョン

シト

ズッピョン

寒い寒いと

泣けばいい

著：J．D．サリンジャー

中学生時代、あまりにも国語のテスト結果が悪すぎて自分以上に先生が心配していた。

面倒見が良い先生の時は夏休み定期的に呼び出しを受けて、読んだ本の感想を直接先生に伝えるということまで面倒いただいた。

でもテスト時間内で長文を読み、それを理解し、よく理解できない質問に答えるということはやっぱり苦手なままだった。

私が本を進んで読むようになったのは20歳になってから。

自分が抱くなぞを解くために、いろんな本を手に取るようになった。

本格的に本からの知識に飢え、手放せなくなるのは30歳を越えた後だ。

私に限って

何するわけでもなく

あてもなく

ただ毎日生きている

多分、楽しい

多分、苦しい

多分、息詰まることもあるし

多分、目標を失うことだってある

人を裏切ったり

どうして試すかな？

試しちゃったかな？

「これできる？」

自慢げに言われて

上から目線で言われて

嬉しい人なんていないのよ

自分の優越感に浸りたい

痛い

痛い

胸が痛い

どこからともなくやってくる

ズキンっ

広がる痛み

どうしてこんなに胸が痛いんだろう

著者：二宮 敦人

タイトルとその表紙の絵が美しかったこともあり手にしたこの一冊。

その美しさと裏腹にいろんなものが心を揺さぶる。

しかしその心の揺さぶりは最終的にはこの表紙の美しさに繋がってるのかもしれない。

同じ病院に勤める三人の同期。

立場も違えば考え方も全く違う。

強い意志あるものを迷いが多き人は憧れるが、そこには人知れず見えない個々の思いというものがある。